2008年09月17日

地図は、土地ではない(2)

こんにちは!NLP Fieldの酒井です。
今日もこちらにお越し頂いてありがとうございます。


前回から、基本前提とは何か?
そして、基本前提の中でもとりわけ有名な、


■「地図」は「土地」ではない。
  The map is NOT the territory.


について、前回は、簡単な導入をしてきました。


「地図」とは、もっと簡単にいえば何でしょうか?



「地図」とは、非常にシンプルな言い方をすると、
その人の物の見方、考え方、感じ方(とらえ方)です。



■その見方、考え方、感じ方には、その人特有の信念や価値観も関わってきます。


例えば、新しい家探し。

ある学生が、家を探すのに、生活の利便性は、コンビニが多いこと。会社に近いところがいい。というような想いで、ある街をみるのと、

ある主婦が、家を探すのに、教育面のしっかりしたところ、車通りも少なく、緑の多いところ。というような想いで、同じ街をみるのでは、


その街の現実のとらえ方が変わってきます。


例えば、三軒茶屋あたりを例にとると
学生にとっては、良い街でも、主婦の人にとっては、いい街とは言い難いかもしれません。


このように、生活の利便性は、コンビニの多さだというような表現を信念。会社に近いところがいいというような価値観によって、私たちの物の見方、考え方、感じ方は影響されてきます。


ですから、これらを「地図」に含めて、考えてもらってもいいでしょう。


つまり、「地図」とは、その人の固有のものの見方、考え方、感じ方であり、その人の信念や価値観でもあるのです。



■前回、「地図」には
 「作成者の視点・意図」・「簡略化」・「気づかなければそのまま」というような特徴があるということをお話ししました。


まさに、上記の例は、「作成者の視点・意図」が入っています。


つまり、引っ越しの例でいくと、私たちが世界を評価するのは、その土地が持っているものではなくて、私たちの「地図」の中にあるのだ、ということなのです。



例えば、あの上司ムカつく。といった場合、

本当に、あの上司がムカつく要素があれば、誰もが、その上司のことを知らなくても、「あの人、なんだかムカつくのよね」と言われるはずです。

しかし、現実には、そんなことはないですよね。


つまり、私たちが、外部の世界に対して
便利だの、不便だの、好きだの、嫌いだのというときは、その土地がそれを持っているのではなくて、あなたの地図の中にそれを誘発する何かがあるんですよ。ということです。


これは、土地や上司だけに限りません。
世界にある森羅万象のことに対して、一人ひとりのとらえ方、考え方、見方は異なるのです。


■私たちは、同じ土地に住んでいても、全く違う地図をもっているし、
 ある意味では、全く違う世界に住んでいるのです。


この「地図は、土地ではない」ということは



私たちに、他のとらえ方が必ずあるんだ、



ということを教えてくれます。



それと同時に、
私たちの内面で創り出しているものだから、



私たちの内面で変化させることが可能だ、



ということも教えてくれます。





さらには、
人とのコミュニケーションにおいては、


 私たちは、「違う」ということを前提に始める必要があるんですよ。



ということを教えてくれているのです。




コミュニケーションという英語は、ラテン語の「共有する」といいう言葉から生まれたそうです。





この前提を私たちが理解し始めると、
NLPという変化の原理や、コミュニケーションをどんな姿勢で臨んでいくと、これまでとは違う人間関係が創れるのかの大きなヒントのなるのです。



次回は、「簡略化」についてお話しましょう!


それでは〜

2008年09月09日

「地図」は「土地」ではない。(1)

こんにちは!NLP Fieldの酒井です。
今日もこちらにお越し頂いてありがとうございます。

前回は、【NLPの基本前提】とはどういうものか、
と言うことで、大きなフレームについて話をしました。


■もう一度、別の視点から復習しますと・・・


前提とは、ウィキペデアによると
「前提(ぜんてい)とは、ある物事が成り立つためにあらかじめ満たされていなければならない条件」と書かれています。

つまり、前提に対しては、疑うということをすると
その後のことが、全部見当違いになってしまうことになります。


ですから、この【基本前提】を真実かどうかは別として、NLPは、これらの【基本前提】から創られています。
そのため、NLPの理論やスキルを学び、実践するためには、これからご紹介するいくつかの【基本前提】を理解しておいた方が、効果が高くなるのです。


また、アメリカでNLPの創始者であるリチャードバンドラーとジョングリンダーと共にNLPの発展に寄与した「ロバートディルツ」氏が来日したとき、次のようなことを言っていました。


「最近は、NLPも様々な周辺分野と融合されてきて、何がNLPで、何がNLPでないかを判定することが難しくなりました。ただ、言えることは、【NLPの基本前提】が当てはまれば、NLPと言えますし、【NLPの基本前提】が当てはまらなければ、NLPとは言えないのです。」



これは、とても重要なことを示唆しています。

あなたもやがて気づくと思いますが、
NLPを学ぶと、必然的に学んだ人の経験や専門知識と融合していきます。そして、また、NLPの実践をしていくと、上級者(マスターレベル)になればなるほど、自ら実習やスキルを開発していくことになります。

その時に、何を頼りにするかと言えば、この【基本前提】なのです。


多くの教育機関が、NLPを学ぶ前に
この【基本前提】をご紹介しているのは、そのためなのです。
そして、とても大切なことなので
NLPフィールドでは、10日間の中でも、ことあるたびに
この【基本前提】に立ち戻っています。


今回は、ロバートディルツ氏の「天才たちのNLP戦略」(ロバートディルツ著 Voice社)に掲載されている【基本前提】を中心にご紹介したいと思います。




■「地図」は「土地」ではない。
  The map is NOT the territory.

当たり前のことを「何を言う〜」という感じでしょうか?


しかし、NLPを学ぶものは、
これを心しておくと非常にたくさんのものが得られます。


これを文字通り理解しておくならば、

●同じ土地の「地図」を創ることにおいても、目的によって「地図」の創り方は異なります。例えば、ハワイの地図を例に取ると、同じ土地でも観光者のツアーマップと、地元の人が住む地図、ハワイの地質研究者の地図は、全く異なるわけです。つまり、「地図」を作成するためには、その人の視点、大切にしたいこと、目的が入ってきます。


●また、「地図」を事細かに、「土地」と全く同じように書こうとしても難しいことです。また、「地図」は、できるだけ、その人に場所をわかるようにしたり、目的地にわかりやすく到達するためのものでしょう。
そのため、詳しすぎると、それが逆にその妨げになってしまうことがあります。
ですから、物事を簡略化するのが「地図」の特徴でもあります。


●「土地」には、建物が建ったり、つぶれたり、店ができたり、無くなったりします。
しかし、「地図」を創る人にとっては、そんなにたくさんの変化を記載することはできないので、ある時点のものを作成します。
その後に、土地の変化があっても、地図を作成した人が気づかなければ、それは、そのままになってしまいます。



つまり、
「作成者の視点・意図」
「簡略化」
「気づかなければそのまま」
ということをまず理解してもらえるといいでしょう。



では、次回は、この地図の特徴が、
自分自身の成長やコミュニケーションに、
どのようなメリットやデメリットをもたらしてくるのか
それをお伝えしたいと思います。


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ありがとうございます。


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2008年09月02日

NLPの基本前提について

こんにちは!NLP Fieldの酒井です。
今日もこちらにお越し頂いてありがとうございます。

前回までは、NLPの背景とNLPとはどういうものか?
ということについて、お話してきました。


NLPは、いろんな説明ができます。
いくつかある中で挙げてみると、

・心理学と言語学を融合させたコミュニケーション論
・地図を変化させる技術
・体験を財産に変える技術
・自己イメージを変化させる
・コミュンケーション心理学
・感情や状態をコントロールするための技術
・「違い」をつくる「違い」を身につける技術 等々

こうした表現の多様さは、
NLPを学ぶ人の切り口によって、変わってきます。


おそらく、NLPという体験(内容)とその人のこれまでの人生の経験(背景)との関係性で、NLPの『意味づけ』が変わってくるからです。


このことを整理して書くと、

[内容] 「NLPの体験(五感体験)」
      ↓
[背景] 「これは自分にとってどんな意味があるんだろう(言語的意味づけ)」 


このプロセスこそが、まさにNLPのプログラミングです。

常に、私たちは、体験をするときに、このようなプロセスを通っています。



そしてまた、私たちは何かを体験[内容]するときに、
みんな全く同じ体験をしているか?といえば、そんなことはないことは、あなたもご存知ですよね。


例えば、私のお勧めのDVDがあります。


「Rent」というDVDです。
http://astore.amazon.co.jp/youmakeyourow-22/detail/B000PAU2TE/503-3313132-4719169

これを見るとき、紹介者にあなたはどれか1つのことを言われます。
・人間の生きるということがどういうことかということがよくわかるよ。
・音楽がとても素晴らしいから、楽しんでみて。
・当時のボヘミアン的な文化がよくわかるよ。
・障害をこえた愛や人間同士の深いつながりや本当に大切にすべきものがわかるよ。


私たちは、こうした言葉に影響を受けざるを得ません。
おそらく、このDVDを見るときには、紹介者の言葉に注目してしまいます。
なぜかというと、私たちは、その映画を体験するときの
何を意味づけするかを、事前にその言葉で誘発されているからです。


            [内容]Rentという映画の体験
                        ↓
 必要のないところは省略    →   ↓ 
       ↑     [背景]      ↓
「これは、こういうところが良いよ。」→ ↓(無意識の活性化)
                        ↓
             「自分にとってはどうなんだろ?」(意識化)

つまり、私たちは、五感を通して全てを体験しているのですが、
その体験を何を意味づけさせるかの『意味づけ』の方に、
事前に言われた言葉の影響を受けて、
全ての体験から必要なものだけをつなげて、
それ以外は、気づかないようにしているのです。


ですから、事前にどんなフレーズを言われたかによって、
この映画の体験の『意味づけ』が変わってきます。


このフレーズを「前提」といいます。



■これは、何も人から言われたことだけではありません。

自分自身にどんな言葉をかけているかや、物事をどのように捉えているかによっても変わってきます。


例えば、何か新しい体験をし始めるときに、
「高いし、時間が無いから、また今度・・・」という方と
「きっとこのお金と時間を投資したことが、何倍にもなって
 返ってくる。」

と考える方では、物事の体験の量が変わってきます。

そして、今は、こうして言葉にしていますが、
私たちの『気づかないところ』では、こうした人生への物事に見方、考え方、感じ方を常に持って臨んでいます。

この物ごとを体験する前の私たちの見方、考え方、捉え方を「前提」といいます。


わかりやすい言葉でいえば「思い込み」です。


■NLPでは、これまで、たくさんの卓越してきた人を研究していきました。
その中で、人生をこんな風に捉えれば、卓越した成果がだせる。また、たくさんの学問的背景から発見されてきた原理原則を理解すれば、卓越した結果が出せる。


このプロセスを言葉でまとめたものがあります。

これが、「NLPの基本前提」です。


NLPを学ぶときに、次回からご紹介する基本前提をもって
理論を理解したり、実習を体験すると効果性が非常に高くなるというものです。


そして、NLPを学ぶプロセスは、この基本前提を
新しい人生の生き方の選択肢として増やしていくために、
この「前提」を手に入れることでもあります。



■あなたにイメージして、考えて、感じて欲しいのです。

もし、こうした基本前提が、あなたの人生の物事の
見方、捉え方、考え方になったら、
どんな風に変化し、豊かになっていくのでしょうか?



その中で、1つ有名なものをあげておきます。


    「地図」は、「土地」ではない。


何だか、謎かけのような、禅問答のような言葉ですが、
あなたは、これはどういう意味だと思いますか?


NLPフィールドの、「NLPとは?」を読んだ方は
何となく理解できるかもしれませんね。

まだの方はこちらをご覧下さい。
http://nlpfield.jp/what_is_nlp.html


それでは、いよいよ次回からは、NLPの基本前提について
解説していきましょう!


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