2008年10月28日

あなたのコミュニケーションの目的が達成されたかどうかは、相手の反応でわかる。(1)

こんにちは!NLP Fieldの酒井です。
今日もこちらにお越し頂いてありがとうございます。

これまでは、NLPの基本前提の中で
とりわけ重要な
「地図は、土地ではない」ということについてお話してきました。


先日、夏に参加したリチャードボルスタッド先生の資料に、
いくつかこの前提に派生するNLPの前提がありましたので、
ご紹介したいと思います。

 ・人々は、それぞれ各自が、各自の世界の地図を持っている。
 ・地図は、地図以上のものではない。
 ・コミュニケーションで重要なことは、あなたがコミュニケーションを
  とった目的は、相手の地図からの反応でわかる。ということである。
 ・「抵抗」は、相手の地図とラポールが取れていないというだけである。
 ・選択肢のある地図の方が、より役に立つ。
 ・人々は、彼らの地図のかなで、可能な限り最善の選択をしている。
 ・人々は、物事の達成に必要なリソースは全て持っている。
 ・変化は、地図が豊かになった結果である。だから、彼らが、これまで以上に選択肢があり、これまで以上にリソースを使えるのである。



今日は、この中でも、次の前提を扱いたいと思います。

・コミュニケーションで重要なことは、あなたがコミュニケーションを
  とった目的は、相手の地図からの反応でわかる。ということである。



はじめ、この前提を理解したとき、私には”衝撃”が走りました。

コミュニケーションが苦手、という人には、こんなことを
想っている方はいないでしょうか?


自分の伝えたいことが上手く伝えられない。


私も実は、これが、ずっと抱いていた悩みでした。
会社生活でも、

「で、お前は何が言いたいの?」

とよく言われたものです。


だから、コミュニケーションは、いかに話すか、ということが
重要だと想っていたのです。


だから、この前提を理解したときには、コペルニクス的な大転換がありました。



■この前提は、どういうことでしょうか?


もちろん、話し方をわかりやすくするのはいうまでもありません。


しかし、いかに話が上手かったとしても、
相手に伝わらなければ、意味が無いのです。
話が下手でも、相手に伝わっていれば、こちらのコミュニケーションのほうが生産性が高いのです。


「伝える」と「伝わる」が違う、


と言われるのは、このためです。



では、どうしたら伝わったということがわかるのでしょうか?



■まずは、相手の行動に着目します。


例えば、あなたが部下に依頼したとします。

「明日の朝までに、この資料をお願いします。」


しかし、次の朝になっても資料ができません。

「どうして、資料ができていないんだ!
 今すぐに持って来い!」

と怒りながら、伝えることがあるかもしれません。


 「何で遅れたんだ」

 「すみません、顧客から急に電話が入ってきて。
  昨日の言い方では、そんなに重要でないのかと思っていました。」


こうした場合、このNLPの前提から見てみるとどうでしょうか?


この相手の返答は、こういうことを意味しているのです。


「あなたのコミュニケーションの意図を受け取っていませんよ、

 というフィードバック(結果)なのです。」



つまり、コミュニケーションの発し手として、あなたにも、相手が意図する行動を起こすようなコミュニケーションをもっと取る必要があった、ということなのです。


NLPでは、コミュニケーションの発し手に責任があると考えます。



そしたら、どうするか?


あなたの意図が、伝わったというフィードバックが帰ってくるまで、相手の地図にあうやり方が見つかるまでコミュニケーションをし続けるということです。



この場合は、怒るということで、この意図を達しましたが、
この前提を理解していれば、事前にお互いの関係性を良くするための他の選択肢が得られたかもしれません。



■相手の行動だけではなく、相手に表情や声のトーンなども手がかりになります。


あなたが、コミュニケーションを取っているとき、相手は、表情やボディランゲージ、呼吸や声のトーンなど、言葉以外のところでも、人は、常にあなたにフィードバックしています。


もし、あなたが説明をしていて、相手が理解していない表情をしていたら、どうしますか?


もし、この前提を理解していたら、
自分が伝えたから、理解しない相手が悪いという態度は取らないようになります。


では、どういう態度になるかと言うと、例えば

一度話を止めて、
「ここまで話して、理解できたところと、理解できていないところはどこかな?」

「ここまで話したことで、どれくらい理解してるか、私に話してもらえるかな。」

など、都度都度確認していくなど、対応を柔軟に変化させるようになるでしょう。



そこで鍵となるのが、繰り返しますが、
話しているときにも常に、相手をよく観察することです。



■なぜなら、あなたと相手は、理解する地図が違うのです。


たまたま同じ日本語を使っているので気がつかないかもしれませんが、同じ言葉でも人は理解することが全く違うことがあるのです。


「しっかりやってくれ」


という言葉を、


ある人は、期待されているから言われた。

ある人は、期待されていないから言われた。


と取るのです。



■お互いの地図が違う以上、
 すべてがミスコミュニケーションなのです。

 だから、人は自分と違う、ということを前提とすることが
 とても大切なのです。

 コミュニケーションは、ラテン語の由来は「共有する」こと
 
 これにも納得できますね。



■繰り返しますが、
 大切なことは、相手の反応を観察することです。



NLPプラクティショナーコースでは、
相手を観察することを、半日かけて行ないます。

あなたが無意識にやっていることで、
活用できることを、さらに洗練させていく。


NLPでは、とても重要なトレーニングの1つなのです。



次回は、さらにこの前提が、どんな背景から生まれてきたか
をお話したいと思います。


_____________________________

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2008年10月21日

地図は土地ではない(5)

こんにちは!NLP Fieldの酒井です。
今日もこちらにお越し頂いてありがとうございます。



これまで4回に分けて、
「地図は、土地ではない」という前提について
お話してきました。

読んでみると、あたりまえじゃん、っていうことばかりだったかもしれませんね。
しかし、日常の中で、このことを忘れてしまうことが結構あるのです。その時に、この前提が、自分の中に根付いていると、今まで、知らず知らずに引きずっていた問題が、いとも簡単に解決してしまうことさえあるのです。


さて、今日は、この「地図は、土地ではない」について、少々学問的な背景に触れながら、お話したいと思います。


「地図は、土地ではない」という前提は、一般意味論というものから生まれてきました。


◆一般意味論は、1919年頃からアルフレッドコージブスキーという方が提唱し始めた理論です。

簡単にいうと
人間の神経回路の使い方と、言語の使い方は、人の可能性を制限している、ということです。

これは、NLPの考え方の根底に影響を与え、メタモデルという言語パターンの発展の原点になった考え方のひとつでした。


「一般意味論」が生まれた背景は、第一次世界大戦が終わった頃でしたが、世界は、ドイツのヒットラーの台頭などで、第二次世界大戦への足音が聞こえていた時期でした。

コージフスキーは、そのことについていろいろと深く考えることがあったようで、特に、人間とは何か、ということについて探求していったようです。

そして、人間の持つ能力を人類の進化の方向に向けていくことを提唱して、「科学と正気」という著書で、この内容を一般意味論と名づけました。


具体的にすると・・・

●私たちは、物事を「抽象化」しすぎている。まず、そのことに自覚することである。


私たちは、物ごとに対して、いろんな見方をすることができます。

例えば、「あなた」という存在は(男性の場合)、文字通り、男性と見ることもできるし、成人としてみることもできるし、ビジネスパーソンや自営業者等としてみることもできるし、親から見れば、子供として見られることもできます。

と言うことは、こうした見方は、単なるラベルにすぎません。

しかし、私たちの人間関係において、ある側面(ラベル)に着目すると、それ以外のラベルを見ることはありません。

例えば、あなたが、上司にムカついていたとしたときに、
「むかつく上司」以外の側面、例えば、家庭では愛されている父親(ということもあるかもしれません)という側面には、目がいかないでしょう。


このように、私たちは、思考や行動において、ある側面だけ捉えたり(ラベル化)、抽象化して物事を捉えていきます。
一度、そうしたラベル化や抽象化をすると、そこに囚われてしまいます。


これは、特に、第二次大戦での「ナチス」へのラベル化が挙げられます。人間的には、どんなに素晴らしい側面をもっていたとしても、ユダヤ人とみなせば、そのラベルだけに同一化させて、他の側面は、全て気づかない事態になります。

そして、その先には強制収容所行き。。。


現代の私たちも、人から言われなくても
自分自身で、「自分とはこんな人間だ。」というのを形成して
同一化して、そこからなかなか離れられないでいることはありませんか?



コージフスキーは、こうした無用な抽象化を外すためにも、
様々な科学的手法を用いて、「抽象化していることを意識する訓練」をしたそうです。
「私は知らない、だから見てみよう。」というNLPでは、Know Nothingステイトとも取れる姿勢は、ここから通じているのかもしれません。 (ウィキペディア参照)


●私たちは、「時間を結合する」という力を持っている。

私たちは先達の知恵を、自分たちが経験しなくても活用していくことができます。例えば、コーヒーの作り方などは、(いろいろな説がありますが)エチオピアの少年が、コーヒー豆を食べたヤギが興奮状態になったことから発見されて、歴史を重ねて今のような製法が生まれてきたそうです。

私たちは、そうしたことを直接体験しなくても、コーヒーというものを飲むことができます。

一方で、「親から危ないから止めておきなさい。」「そんな馬鹿なことをしたら立派な大人になれないですよ。」ということから、小さい頃の抱いた夢や希望を断念した人もいるかもしれません。

こうしたことも、自分が経験していなくても、親の経験を推測して自分なりに思考して、行動をするということをやめることがあります。


こうして、私たちは、時間を越えて、コトバなどで知識を受け継ぐことができるのです。


●他にも要点がありますが、一般意味論では、こうしたことを理解しておけばいいでしょう。
(まだまだ、私も一般意味論は、かじり始めたばかりですので、
 あなたとともに成長していきたいと思っています。)

これらが、「地図は土地ではない」という背景に含まれる部分なのです。


私たちは、必ず神経経路と言語で形成した地図を構築します。
その地図が、現実と違えば違うほど、混乱することがあります。
その地図が、現実に近ければ近いほど、一致感がでてきます。


そのためにもコージフスキーは、すぐに自分の地図に同一化して即座に反応するのではなく、少し待って、いろいろな観点を持ってみよう、ということでした。
特に。白か黒かという二つの見方ではなく、灰色もあるし、灰色にもたくさんの濃度があるように、さまざまな観点で物事を捉えることや、

それさえも手放して、何も知らないという観点で物事を経験することを薦めています。



コージフスキーの一般意味論は、言語学でいわれる意味論とは異なり、今日ここまでお話してきた、私たちの現実への反応や意味のつけ方について、お互いの誤解を生むことや、事実を誤認することを避け、自分や世の中がより協力して、さらに良くなるように(彼のコトバだと、「正気」になるように)使っていくことを願って生まれてきたものなのです。

特に、コミュニケーションは、コトバを使ってお互いの意味を通じ合えるようにすることです。

しかし、その元になっている地図は、お互い全く違うわけですから、このことだけでも理解しておけば、相手と意見が多少違ったとしても、当たり前だということで受け止めておけば、精神的にもかなり楽にいることができます。

そこから、どんな風に、私たちが地図や意味を共有して行くのか、そのプロセスに意識を向けていくことができるからです。


NLPは、そうした考え方と共に、精神性も受け継いでいるのかもしれませんね。


PS
NLPは神経言語プログラミングと訳されます。
神経や言語で形成されたものが地図です。
私たちは、個別の地図の創り方を持っています。(=プログラミング)
つまり、神経言語プログラミングとは、まさに、あなたがこの世界に対してどんな地図を作るクセがあるのか、反応する癖があるのか、どんな行動や体験を意味づけするクセがあるのかを理解して、それに自然な変化を創りだす方法論なのですね。


次回は、NLPのまた、別の前提をご紹介したいと思います。
どんな前提が出てくるかは、楽しみにしていてください!

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2008年10月15日

地図は土地ではない(4)

こんにちは!NLP Fieldの酒井です。
今日もこちらにお越し頂いてありがとうございます。


これまでは、NLPの前提とはどういうものか?
詳しくはこちら

そして、その中でもとりわけ有名は

地図は土地ではない。
The map is NOT territory.

について、お話してきました。


その中でも、この言葉を理解するために
とりあえず3つの観点を持ってみてください

とお伝えしました。

1)地図の作成には、作成者の視点・意図が入ります。
  だから、基本的には主観的なものなんですよ。
2)地図は、簡略化されて作られています。大まかに捉えられています。
  だから、抜けていたり、大まかだったりすることがあるんですよ。

ということでした。

そして、今日は3つ目のお話をしたいと思います。



3つ目は、地図は、「気づかなければそのまま」ということです。


これは、どういうことかというと
私たちは、地図を一度創ると、そのままの状態で保存したがるということです。

これは、石井裕之さんがいう無意識の現状維持メカニズムにも通ずることです。

この表現は、とても素敵な表現ですね。


大切な言葉は、「気づかなければ」ということです。

簡単に言ってしまうと、
例えば、あなたは、初めて「みかん」という果物に出会います。

そしたら、おそらく誰かにこれは「みかんよ」と教えられます。
その後で、おそらくこれを「りんご」ということは無いでしょう。

また、歩くときにどちらの足を先に出すか、ということも
おそらく気づいていないでしょうが、だいたい同じ足を先に
出しているものです。


このように、
私たちは、生きていく経験の中から、より良く生きていくために地図を創ります。

そして、今度は、その創った地図を照らし合わせながら、
行動を起こしていきます。


◆さらに、具体的な例を挙げてみましょう。

昔、私はセルフイメージが著しく低いときがありました。

そのため、誰かが仕事を手伝ってくれたり、何か親切にしてくれたときに、

「すみません。」

という表現をしていたのです。


この「すみません」という表現は、自分が相手より、一段下に下りていく表現です。


このとき、私は自分のセルフイメージが低いことなど気づいてもいません。


気づかないうちに、こうした場所に自分を置く地図をもっていました。


ある時に、どうしていつも自分は卑屈な気持ちになるんだろう。と気づいたことがありました。
何か、周りにビクビクしている、そんな自分に気づいたのです。

そして、その時に使っている自分のことばに気づきました。


それからは、
同じく仕事を手伝ってくれたり、何か親切にしてくれたときに

「ありがとう」という表現に変えてみました。

ありがとうという表現は、自分の位置はそのままで、相手を一段上に上げる
表現です。


こうしていくうちに、自分の姿勢さえもが、猫背だったのが、徐々に目が上向きになり
胸が開いていったのを覚えています。



◆また、こうした例もあります。

誰か好きな人に告白をする場面や、自分がやりたいことをやりたいと周りに言う場面です。

「もし、そんなこと言って失敗したらどうなるんだろう?」

そんなささやき声が聞こえてくることがあります。

そんなときには、おそらく心の中の地図は、失敗している場面を想定しています。



では、この失敗する場面を想定するクセは、何時からつき始めたんでしょうか?

これも、人によって違いますが、子供の頃に何か進んでやったときに、失敗したと思った経験が
多かったか、それとも、周りの大人たちに、「ちゃんとやるのよ」とか、「危ないから(失敗したらかっこ悪いから)
止めときなさい」と言われたことが経験として残っているのかもしれません。



私たちは、繰り返し言われたことや、
失敗したときに、かなりの恥ずかしさやそれ以外の強烈な感情を受けたときに、それを鮮明に記憶していきます。


そうすると、私たちの地図の中にそのことが明記されて
いつでも私たちを守るために、毎回毎回、その地図が心の中に呼び起こされます。


そして、それは私たちの気づかないところで多大な影響を及ぼしています。



時に、病気や失恋等の外部からの強烈なインパクトで、内面の地図が変わることもあります。

よく、痛い目にあわないと気づかない、と言われるのもこのためです。


しかし、別に痛い目にあわなくても、変わることができればいいじゃないですか?

結局、私たちは、この現実を地図を参考にして、生きています。


ですから、その地図を変化させれば、現実など変えなくても、
私たちの認識が変わるのですから。


そうすれば、足りないと思っていたコップの水も、「まだ十分ある」というように
「自然と」思うことができるのです。


ちなみに、「自然と」を強調したのは、NLPはポジティブシンキングではないということです。
ポジティブシンキングの前提は、ネガティブな思考があるということですが、
NLPで目指したいのは、自分や人生に対して、自然にポジティブな態度が生まれて来ることなのです。



さて、次回は、この「地図は、土地ではない」ということを多少、学問的な背景から
さらに突っ込んでいきたいと思っています。



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2008年10月09日

地図は土地ではない(3)

こんにちは!NLP Fieldの酒井です。
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引越しのため、インターネットが使える環境に無く
ブログが遅れました。
今日から、新しい環境で、またあなたとNLPの学びを
深めていきたいと思います。


****


前回は、私たちがこの世界を理解するときに創る地図には
地図を創る作成者の視点や意図が入るのですよ。
というお話をしてきました。


●今回は、この前提のもう1つの側面である「簡略化」です。


これも、あなたが人に道をきかれたときのことを思い出すと簡単です。

もし、あなたが道をきかれたら、おそらくできるだけシンプルに相手に説明するでしょう。

例えば、「あそこにコンビニがあるので、あの角を右に曲がると、大きな道路に出ます。大きな道路に出たら、左側に進むと、信号が見えてきます。その信号を渡った左側に、お探しの場所があります。」


こんな感じで説明するでしょう。

図に描くとしても、道とコンビニと信号があれば、目的地を表示できます。


これを、「ここからマンションが3つあって、そこには家族で住んでいる方が10世帯、独身世帯が10世帯あるマンションなんです。そのマンションの先に、コンビニがあるのですが、これはセブンイレブンで、最近新製品にあるチョコレートが棚に並んでいるんです。。。。」等事実のすべてを詳細に話していたら、日が暮れてしまいます。


これは、何も人に説明するときだけに限りません。

例えば、

●●○○●●○○●●○○

○○  ○○  ○○  ○○


こうした図も、○を一つずつ見るというよりは、
●●や○○をまとまりとして捉えていくと思います。


つまり、簡略化することは、物事を効果的に進めるためには
必要なことなのです。



●簡略化しすぎることで生まれる弊害もあるのです。

一番よくある例が、一人ひとり個性があって違う存在にも関わらず、「あの人は、あの性格だから、○○さんと一緒よ。」と良きにつけ、悪きにつけ、ひとまとめにしてしまうことです。
もしかすると、その人には、その人の独自のよさがあるのに、それを見落としてしまうことになります。

また、自分自身にも同じようにしていることで独自の可能性の開花を閉じてしまうこともあります。


また、別の例としては、奥さんや恋人の髪型の変化や服装の変化に気づかずに、「あなたって私のことぜんぜん見ていないわね。」といわれることです。


私たちは、いつも見慣れていることや思い込んでいるものについては、簡略化して理解しがちです。
小さな変化が生じても、気がつかないことがあるのです。


まだ、これぐらいならかわいいものですが、
大きな簡略化になると、日々変化している会社の状況や、パートナーや子供の成長に対して、それに気づかずに
「どうせ、この会社は、何をやっても変わらない・・・」
「どうせ、あの人は、何をやっても変わらない・・・」

と言い始めていると、周りで起こっている小さな変化を捉えていないことを表明していることになりかねません。



私たちの地図は、現実とは違い、物事をやや大雑把に捉えてしまいます。
そのために、何かを省いたり、似たようなものはまとめてしまったり、自分に都合のいいように解釈してしまうのです。


何を省き、何をまとめ、どんな風に解釈するかは人それぞれ。
だからこそ、私たちの地図は一人ひとり異なってくるのです。


ここで私たちが日常で活かしていきたいことは、
自分自身が、どんなことを省きがちで、どんなことをまとめてしまって、どんな風に都合のいいように解釈しているかを知ることです。

それを知る方法は、周りの人の見方、考え方、感じ方を好奇心をもって理解することです。


そこに、人と自分の違いがあります。
そこから、きっかけがつかめるはずです。

そして、人と自分を比べるのではなく、そんな理解の仕方があったのか、と知るだけで十分なのです。



さて、いよいよ次回は、「気づかなければそのまま」について
お話したいと思います。


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テーマ: 〜自信をつける構造〜 です。
NLPの全体像が、手に取るように分かりやすく理解できます。


■NLPフィールド
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