2008年10月15日

地図は土地ではない(4)

こんにちは!NLP Fieldの酒井です。
今日もこちらにお越し頂いてありがとうございます。


これまでは、NLPの前提とはどういうものか?
詳しくはこちら

そして、その中でもとりわけ有名は

地図は土地ではない。
The map is NOT territory.

について、お話してきました。


その中でも、この言葉を理解するために
とりあえず3つの観点を持ってみてください

とお伝えしました。

1)地図の作成には、作成者の視点・意図が入ります。
  だから、基本的には主観的なものなんですよ。
2)地図は、簡略化されて作られています。大まかに捉えられています。
  だから、抜けていたり、大まかだったりすることがあるんですよ。

ということでした。

そして、今日は3つ目のお話をしたいと思います。



3つ目は、地図は、「気づかなければそのまま」ということです。


これは、どういうことかというと
私たちは、地図を一度創ると、そのままの状態で保存したがるということです。

これは、石井裕之さんがいう無意識の現状維持メカニズムにも通ずることです。

この表現は、とても素敵な表現ですね。


大切な言葉は、「気づかなければ」ということです。

簡単に言ってしまうと、
例えば、あなたは、初めて「みかん」という果物に出会います。

そしたら、おそらく誰かにこれは「みかんよ」と教えられます。
その後で、おそらくこれを「りんご」ということは無いでしょう。

また、歩くときにどちらの足を先に出すか、ということも
おそらく気づいていないでしょうが、だいたい同じ足を先に
出しているものです。


このように、
私たちは、生きていく経験の中から、より良く生きていくために地図を創ります。

そして、今度は、その創った地図を照らし合わせながら、
行動を起こしていきます。


◆さらに、具体的な例を挙げてみましょう。

昔、私はセルフイメージが著しく低いときがありました。

そのため、誰かが仕事を手伝ってくれたり、何か親切にしてくれたときに、

「すみません。」

という表現をしていたのです。


この「すみません」という表現は、自分が相手より、一段下に下りていく表現です。


このとき、私は自分のセルフイメージが低いことなど気づいてもいません。


気づかないうちに、こうした場所に自分を置く地図をもっていました。


ある時に、どうしていつも自分は卑屈な気持ちになるんだろう。と気づいたことがありました。
何か、周りにビクビクしている、そんな自分に気づいたのです。

そして、その時に使っている自分のことばに気づきました。


それからは、
同じく仕事を手伝ってくれたり、何か親切にしてくれたときに

「ありがとう」という表現に変えてみました。

ありがとうという表現は、自分の位置はそのままで、相手を一段上に上げる
表現です。


こうしていくうちに、自分の姿勢さえもが、猫背だったのが、徐々に目が上向きになり
胸が開いていったのを覚えています。



◆また、こうした例もあります。

誰か好きな人に告白をする場面や、自分がやりたいことをやりたいと周りに言う場面です。

「もし、そんなこと言って失敗したらどうなるんだろう?」

そんなささやき声が聞こえてくることがあります。

そんなときには、おそらく心の中の地図は、失敗している場面を想定しています。



では、この失敗する場面を想定するクセは、何時からつき始めたんでしょうか?

これも、人によって違いますが、子供の頃に何か進んでやったときに、失敗したと思った経験が
多かったか、それとも、周りの大人たちに、「ちゃんとやるのよ」とか、「危ないから(失敗したらかっこ悪いから)
止めときなさい」と言われたことが経験として残っているのかもしれません。



私たちは、繰り返し言われたことや、
失敗したときに、かなりの恥ずかしさやそれ以外の強烈な感情を受けたときに、それを鮮明に記憶していきます。


そうすると、私たちの地図の中にそのことが明記されて
いつでも私たちを守るために、毎回毎回、その地図が心の中に呼び起こされます。


そして、それは私たちの気づかないところで多大な影響を及ぼしています。



時に、病気や失恋等の外部からの強烈なインパクトで、内面の地図が変わることもあります。

よく、痛い目にあわないと気づかない、と言われるのもこのためです。


しかし、別に痛い目にあわなくても、変わることができればいいじゃないですか?

結局、私たちは、この現実を地図を参考にして、生きています。


ですから、その地図を変化させれば、現実など変えなくても、
私たちの認識が変わるのですから。


そうすれば、足りないと思っていたコップの水も、「まだ十分ある」というように
「自然と」思うことができるのです。


ちなみに、「自然と」を強調したのは、NLPはポジティブシンキングではないということです。
ポジティブシンキングの前提は、ネガティブな思考があるということですが、
NLPで目指したいのは、自分や人生に対して、自然にポジティブな態度が生まれて来ることなのです。



さて、次回は、この「地図は、土地ではない」ということを多少、学問的な背景から
さらに突っ込んでいきたいと思っています。



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